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講座の概要

セッション1 海洋科学を伝える―イントロダクション

最初のセッションは、学習と、学習が生まれる場について受講者の考えを話し合ったのち、本講座の後半でインフォーマルな学習の場で実施するアクティビティの例として、探究を中心とする参加体験型のアクティビティを体験します。「インフォーマルな学習の場での学び」はどういった要素で構成されているのかを簡単に紹介し、今後10〜15週間でおこなう本講座の内容と、インフォーマルな科学教育機関での学びの概要、そして人々が科学の内容や実践を学ぶのを助ける役割の重要性について説明します。

セッション2 科学の本質と実践

科学の本質と実践には何が含まれているのか、「科学についての考え」や教えるべき内容について合意があるのか、といった問いを取り上げます。受講者は2つのアクティビティを通して自らの科学観を振り返り、文献を簡単にレビューします。科学者やエデュケーターとして、子どもたちや一般の人々に、科学の本質や、科学の本質の重要性について理解を深めてもらうにはどうしたらよいかを考えます。

セッション3 教授と学習

人はどのように学ぶのかということや、さまざまな学習スタイルを反映させた授業づくりを探究します。人の学び方や人の学び方のモデルが、教え方やコミュニケーションの仕方にどう影響するのかを考えます。そして、異なる教授アプローチで密度と塩分を取り上げる4つのアクティビティステーションをローテーションし、4つのアプローチがそれぞれ学習者の関心や概念理解にどのような影響を及ぼすかについて話し合う。また、教授アプローチの活用の仕方によって関心や概念理解が高まることを整理し、LHSで活用されている学習デザインモデルである「ラーニングサイクル」を紹介します。

セッション4 アクティビティをデザインする

これまでのセッションで学んだラーニングサイクルや効果的な指導方法などを応用して、受講者が2人1組でアクティビティの開発を進めます。模範アクティビティを体験し、アクティビティデザインのひな型を用いて、科学概念を効果的に取り上げるアクティビティをデザインすることが複雑な作業であることを理解し、学習者がひとつの科学概念についてある程度理解できるようなアクティビティをデザインします。

セッション5 知識を構築することと理解を深めること

学習に関する構成主義的なとらえ方を紹介します。学習者は自分を取り巻く世界についてどのように理解を構築していくのか、また、学習者が理解を構築する際に事前に持っている知識はどのような役割を果たすのか、さらにこうしたことが、教え方にどのような示唆をもたらすのかについて取り上げます。受講者は、学習者としてアクティビティに取り組み、学習者としての自分自身の経験の中で、既有知識、社会的相互作用、モデルを使用することの役割を振り返り、構成主義と既有知識に関する研究知見をエデュケーターとしての自分の役割に応用させます。

セッション6 会話と質問

会話と質問に注目し、学習者が学び、考えや概念の意味を理解するのを促すうえで会話と質問が果たす役割について掘り下げます。会話は、学習者の既有知識・スキルのレベル・個性・過去の経験・アイデアをつなげる能力などを見る手がかりとなります。エデュケーターと学習者の典型的なやりとりを描いたロールプレイで3つの会話のパターンを紹介した後、エデュケーターが自分の役割を「舞台の上の賢者」ととらえるか、「かたわらにいるガイド」ととらえるかによって、学習者に与える影響がどう変わるかを議論します。

セッション7 インクルーシブ(包括的)な学習環境

学習環境における多様性と、すべての学習者のニーズへの対応のあり方を取り上げます。多様性、平等、インクルージョンに関わる問題は、多くのインフォーマルな科学教育機関での計画立案やプログラム作成にとって欠かせないものとなりつつあります。受講者は、人々の間に存在する違いについて考え、他の視点に対する意識を持つようになることによって、インクルージョンの問題について考えます。さらに、このセッションで学んだことを応用し、自分たちがインフォーマルな科学教育機関用にデザインしたアクティビティを、多様な学習者が参加できるように改編します。

セッション8 探究する心、ディスカッションを進める

インフォーマルな学習の場でおこなう探究の概要を紹介します。受講者はひとつの調査をおこなったあと、博物館内で来館者とファシリテーターが探究に取り組む様子を見学し、やりとりを観察します。セッションの後半では、学習者がディスカッションを通じて学べるようにするために、学習者の多様な疑問への対応の仕方に焦点を当て、実用的なディスカッションの進め方を紹介します。

セッション9 教授における「物」の役割

インフォーマルな学習の場における「物」の利用について探り、会話や相互作用における物の役割について考えます。インフォーマルな学習の場でよく使われるさまざまな物が、どのように利用され、学習を支えているかを探り、4種類の物を使って1つの内容を教えるアクティビティ(あるいはプログラム)を作って実施します。この課題によって、さまざまな物の利用を介して生まれる会話や行動を比較し検討します。

セッション10 評価と振り返り

このセッションは、受講者がデザインしたアクティビティをインフォーマルな学習の場で実施している様子を、受講者同士で観察して評価します。こうしたアクティビティ評価の視点を紹介し、実際に評価を試みます。